ヒフときどきサカナ

もっこす院長が発信するブログ

【昆虫皮膚炎】アオバアリガタハネカクシ編

こんにちは。

少し蒸し暑い季節になって参りました!

 

それとともに…

増えて参りました…

そう、昆虫による皮膚障害!!!

 

本日は「アオバアリガタハネカクシ」という昆虫について書きたいと思います。

 

早速ですがイラスト

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…こんな虫を見たことあります?

赤と黒のしましま…アリではありません…羽を隠しており飛びます…

 

私は、小さいころに自分の部屋で見たことを覚えています。

魚釣りをしていた時に夜の街灯下にとんできたこともありました。

実際は数ミリメートルと小さいため、普段の生活では意識しないかと思われますが、実は結構ありふれています。

以前熊本城二の丸公園に子供を連れて遊びに行った際にも発見し、思わず動画を撮影してしまいました。

 

その時の動画がこれ…

www.youtube.com

小さすぎてわかりにくいですが…

 

この小さな虫、「やけど虫」ともよばれ、結構えげつのない皮膚症状を引き起こします…

 

この前受診された患者さんに了承を得ておいたので貼付します。

こんな感じで…

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約7年前に熊日新聞からこの虫について電話取材を受けたのを思い出します…

 

アオバアリガタハネカクシですが…

コウチュウ目・ハネカクシ上科・ハネカクシ科に属する昆虫で、アリじゃないけどアリのように見えることから「アリガタ」と言われているようです。

赤と黒の縞模様でいかにも毒をもっていそうな風貌です…

湿った地表に生息し、田んぼや畑・川原など、日本全土で3~11月特に梅雨前後に発生します。

飛行能力があり、夜間は街灯などの灯りに餌を求めて飛来することもあります。

体液に「ペデリン」なる可愛い名前の毒を有し、体についた虫を払いのけたり、知らない間に気付かず潰してしまうなどして受傷することも多い印象です。多くは、線を引いたような形状で症状が出るため「線状皮膚炎」と呼ばれることもあります。

症状はすぐに出るわけではなく、毒の付着した部位に、数時間して痒みや痛みが出現し、同部に赤みやただれ、膿を伴う水ぶくれが出現します。

ひどいやけどをしたような症状がでるため「やけど虫」などとも呼ばれます。

赤みただれは、約2週間ほどで治りますが、深くえぐれた場合は傷跡を残す場合がありますので注意が必要です。

 

この虫が皮膚の上を歩いていたら、決して払わず、進行方向に紙などを置きその紙の上に移動してから離しましょう!

 

まぁその時に冷静でいられる自信はありませんが…パニクッてつい払ってしまいそう…

皆さんは果たして耐えられますか!?