新薬登場
新規アトピー性治療薬「モイゼルト®軟膏」の製造販売承認が2021/09/27におりたようです。
製造過程における確認事項精査が完了したとのことで、近日処方可能となると見込まれます。
以下に製剤見本を提示します。
0.3%と1%製剤の2種類あります。
基本的に成人に1%製剤を、小児(2歳以上)に0.3%製剤を1日2回外用するとされておりますが、症状に応じて小児にも1%製剤の使用が許されております。
0.3%も1%も副作用発現率には大差ないとのことでしたので、効果の面からは主には1%製剤を使うこととなると思います。
皮膚感染症を伴う場合や、妊娠予定や妊娠中・授乳中の方への使用は避けることとなっております。
本剤の主成分「ジファミラスト」は、「乾癬」という病気に飲み薬として使用しており、皮膚科医にとっては馴染みのある成分の薬剤です。
過度な炎症を引き起こすPDE4という物質の阻害薬で、従来のステロイドやタクロリムスと異なり免疫抑制というよりは、免疫調整作用を有し、イメージとしてはマイルドな(優しい)薬剤といったところでしょうか?
ステロイド長期使用などによる副作用(皮膚が薄くなったり、血管拡張したり、毛が濃くなったりなど)対策にもってこいかと!軽症の方には最初から使用も想定されます。
しかし、やはり急性期には強力な薬剤であるステロイドを使用して抑え込み、プロアクティブ療法として「再発抑制」や「良い状態維持」に使用するという戦略となるかと思われます。
以前ご紹介した新薬「コレクチム®軟膏」と併せて、アトピー性皮膚炎治療戦略を塗り替える薬剤の登場は、患者さんにとっても福音となると期待しております。