こんにちは。
例年春先は、顔湿疹が出てきて受診される方が多いです。しかも女性が圧倒的に多い…
今年は新型コロナウィルスの影響でマスクをされる方が多いので例年よりさらに多い印象です。マスクも不織布であり、微細な繊維が皮膚に刺激を与えるのでしょう。
空気の乾燥や、紫外線、花粉や黄砂…様々な要因で刺激を受け、新年度界隈の多忙やストレスで活性化した過剰免疫の影響で皮膚が炎症を起こすのだろうと考えられます。
なぜ男性と比べ女性に圧倒的に多い理由を考えると、やはりより様々な刺激があるからだと考えられます。最たる因子は基礎化粧品を含めた化粧品類やそれらを落とすためのクレンジングや洗顔料などなのかもしれません…もちろん顔につく可能性のあるヘアケア関連も含まれます。
そんな女性に「化粧品類の使用を休んでください。」とお話すると、「以前から使っているものと何も変えていません!」と怪訝な表情で応酬されます…
ヒゲヅラのぶっきらぼうな私に言われると、尚更癪に障るのでしょう…
かぶれ…特に一時刺激によるものには「使用物による刺激」、「受ける側の皮膚のバリア機能」、「反応する免疫」の3者により症状が規定されます。
免疫がおとなしくしている状態で、健やかな時の肌であれば、使用物による刺激に打ち勝ってくれているので使用もいいでしょう。
先ほど述べたように、乾燥などで肌が荒れ、様々な刺激が増え、各種ストレスで免疫が暴走しやすい時に「いつもと変わらない」という刺激が入ったら、皮膚が我慢できないのです。炎症を起こし、さらに敏感になった状態で刺激が加わり、脱出不能の魔のスパイラルに堕ちていきます…
まずは使うものを限りなくお休みし、治療で炎症を抑え、バリアを取り戻さなければいけません。回復後もに肉眼ではわからないバリアのほころびや炎症の残りがあると、再度同じスキンケアや化粧を行えば再発も…
普段から刺激の少ないものを最小限で使うを意識しましょう!
そこで参考になる書籍がこれです。
著者は小澤王春氏、東京美容化学研究所という会社の前代表のようです。
1938年生まれで慶應義塾大学工学部修士課程卒業の美容化学評論家、化粧品に対する女性の正しい知識の向上を目指し、正しい美容科学の普及と基礎化粧品の開発に従事したということです。
主な著書の中に「バカがつける化粧品」など、若干ラディカルな思想が入ったものもあるようですが…
本書は、化粧品などに含まれる約6200種の成分の毒性につき評価され、添加物を点数化し具体的に回避した方がいい製品を選別できます。
序章で「化粧品で大切なことはマスコミや広告から化粧品を学んではならない、自分自身の知識を使って化粧品を判断することである。これがその人の肌の一生を保証するのである。」と結んでいる。
本書を片手に、自分の使用している化粧品類の成分表をじっくり見てみてもいいのかもしれませんね!